このレビューにはネタバレが含まれています
		
		
			
			 2020年7月3日 16時41分
			
				
				役立ち度:0人
			
		
		
			総合評価:
							
							
							
							
							
						5.0
		
		
		
			「パリ・テキサス」「ブエナ・ビスタ・ソシアルクラブ」のヴィム・ヴェンダースが監督。舞台は壁が崩壊する前の旧西ドイツ、ベルリン。人には見えない天使がサーカスの団員の女性に恋をして人間界に降りる物語です。
冒頭から天使を辞めて人間になるまではモノクロで、その後の人間界はカラーになります。このモノクロのパートが重めで息を飲むほど、怖くなるくらい美しいです。この撮影をしたのが「ローマの休日」なども撮った名匠、アンリ・アルカン。ヴェンダースは半ば引退同然の彼にこの作品の撮影をお願いしたとされています。
見えないけどそこにいる天使達の達観した表情や、重苦しいベルリンの街。アルカンのおかげもあって格調高い影像が存分に味わえます。
この映画には「刑事コロンボ」の撮影をしている設定でピーター・フォークが本人役で出ています。そしてピーター・フォーク自身もかつては天使で、下界に降りてきたという事になっています。彼が入った事によって、ともすると文芸作品になりそうなこの映画をさらに味わい深くしています。