小説の穏やかな雰囲気を見事に映像化
2021年1月7日 13時47分
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総合評価:
4.0
本屋大賞に選ばれた宮下奈都さんによる同タイトル小説の映画化です。小説を先に読んでから映画を見ましたが、小説の穏やかで静かな雰囲気を見事に映像で表現されています。主人公である外村がピアノの調律師をめざし、調律を軸に人と交流する中での成長を描いた作品です。
外見が整っており、華やかな雰囲気のある山崎賢人さんですが、繊細な感性を持つ外村を見事に演じており、演技の幅が広く、多様な側面を見せてくれる素晴らしい俳優さんだと思いました。上白石萌音さん、萌歌さんも双子の姉妹として登場し、双子でありながら性格の違いを繊細に演じられています。脇を固める三浦友和さん、鈴木亮平さんも主人公の外村の成長を見守る役として、大人の男性の魅力があり、映画に深みを出しています。淡々と進むストーリーですが、じわりじわりと心に染みていきます。
北海道の美しい情景や美しい音色にも魅了されますが、それ以上に真摯に人生や仕事と向き合うことの尊さを知り、自分の人生において背中を押してもらえるような作品です。