血生臭い人間模様がリアル
このレビューにはネタバレが含まれています
2021年5月18日 15時54分
役立ち度:0人
総合評価:
5.0
映画館の前に貼られたポスターを見て、何の前情報もないまま鑑賞した作品です。
鑑賞開始早々から生々しく目を背けたくなるような暴力のシーンがあるのですが、それを発端に複雑に絡み合った生々しい暴力団同士の抗争があらわになっていきます。
題材が題材なだけにところどころに痛々しい暴力シーンがあるのでそういったものが苦手な方にはあまりオススメできませんが、個人的には大好きな作品になりました。
役所広司さん演じるとんでもアウトロー刑事・ガミさんと、バディを組むことになった松坂桃李演じる理想に燃えた若手の新人刑事・日岡。
日岡が正義に燃える己の信念とあまりに相反するガミさんのやり方に憤慨し戸惑いつつも、ガミさんの孤独な背中に「綺麗事の正義だけでは守れないものがある」といったような目を背けたい真実を悟っていく過程が深かったです。
結果的に最初は毛嫌いしていたガミさんのスタイルを日岡が継承していく展開なのですが、そこに絡む人々の様々な事情や、ガミさんなりの信念、正義も少しずつ明らかになっていきます。
なんともやるせなく心が締め付けられるような結末ではありましたが、終盤の日岡のナニかのスイッチが壊れてしまったかのような暴力シーンは松坂さんを今まで単なるイケメン俳優の一人だと思い込んでいた自分が恥ずかしくなるほどに圧巻の演技でした。
ガミさんの普段の飄々とした姿と、ふと見せるシリアスな雰囲気のギャップも素敵でした。
今夏には続編の映画が公開されるようで、そちらは原作とは別のオリジナルストーリーになっているようですが、楽しみです。
イメージワード
- ・悲しい
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