実際に多くのユダヤ人を救ったポーランド人女性のストーリー
このレビューにはネタバレが含まれています
2020年7月22日 12時15分
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総合評価:
4.0
ユダヤ人やヨーロッパにおける戦争ものの映画はたくさん観ましたが、実話を元にしており、犠牲になったのは人間だけでなく動物たちもだと知りました。シンドラーのリストや杉原千畝の功績は世に広く知られていますが、舞台のポーランドにあるワルシャワ動物園でも、ポーランド人によって多くのユダヤ人が匿われ、命を救われました。しかし主人公のアントニーナの人や動物への深い愛情や、勇気ある行動が称えられており、ユダヤ人を救ったことは事実なのですが、誠実な夫に、ナチスの将校への不貞の疑念を抱かせたり、イライラするようなシーンもけっこうあり、個人的には好きになれませんでした。地下室の壁に匿われた子どもたちがダビデの星やユダヤ人がいるという証拠になってしまうような落書きをたくさんしていますが、こういったものも生き延びるためには形に残らないものに描かせるべきだったのではと思います。結果的に犠牲となった二人を除けば300人ほどのユダヤ人をガス室送りから救うことができ、家族も生き延びることができ、この映画を通して史実が世に知れ渡ったのは素晴らしいことだと思います。