深い…
このレビューにはネタバレが含まれています
2021年9月19日 12時58分
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総合評価:
4.0
ゴッホの弟のテオがゴッホを支え、仕送りをし、ゴッホは精神を病んで自殺をします。そしてすぐにテオも亡くなり、幼い子供と残されたテオの妻がゴッホとテオの地位の確立のために奔走し、ゴッホの絵は売れ始めます。ゴッホは生きている間あまり幸せそうには見えませんし、テオのお荷物とさえ思えます。しかし、ゴッホの死後遺産として受け取った絵にはとんでもない価値があり、後世に継がれていきます。
テオか行った出資は大変なものだったと思いますが、子孫たちにゴッホが残した遺産を考えると、死後にゴッホはテオに対して恩返しをしたのかもしれません。ゴッホには子供がいないのでテオの子がゴッホにとっても子孫に当たるわけですけれど。
とても映像が綺麗で撮り方も面白く、音楽も多用されていて、映画自体が絵の中の世界のようでどこの映像を切り取っても素敵でした。
自分のやり方を、貫いたり、自己を表現するということは本当に難しく、理解されにくいことなんだなと痛々しく描かれていて、胸が痛みました。
それでも自分を生きないといけない。
自分には価値がないと思えたとしても、案外人生の価値は生きているときだけで決められるものでもないしし、踏みつけられても踏みつけられても自分を信じるしかない。
「神が未来の人のために私を画家にした」というシーンがとても良かったです。