ブラニガン
この映画「ブラニガン」は、ジョン・ウェイン主演の刑事ものでも、いささか無理した感じの前作の「マックQ」より、かなりいい。 シカゴ警察の警部補ブラニガン(ジョン・ウェイン)が、起訴まで持ち込んで逃げられた悪党ラーキン(ジョン・ヴァーノン)を追って、ロンドンに乗り込み大活躍するという痛快編だ。 ブラニガンは悪党を追ってロンドンへと飛び、出迎えたスコットランド・ヤードの婦人警官サッチャー(ジュディ・ギースン)が、ロンドン滞在中のブラニガンのお守り役で、ヤードの長官スワン卿(リチャード・アッテンボロー)と話し合っている時、ラーキンが誘拐されたとの報告が入る。 そこへブラニガンを消すための殺し屋や、ラーキンの弁護士らが加わって、事件は佳境へ入って行く。 この映画の面白さは、強いアメリカの象徴であるジョン・ウェインと、誇り高く、洗練されたイギリス紳士の象徴としてのリチャード・アッテンボローとの対比における、やりとりの妙にあるのだと思う。 それとともに、ジョン・ウェインの行くところで、なぜか西部劇調になるというのは、誰しも思いつくところだが、この映画ではパブでの大乱闘という見せ場もたっぷり堪能でき、入ろうとする客が何度となくパンチを食らって転げ出し、フラフラになったあげく、喧嘩の一味として連行されるという、ユーモアたっぷりの場面も用意されている。 また、悪党の車を追うため、居合わせた男の新車を挑発してのカー・チェイスとなり、開きかけたブリッジを飛び越えるなどの"定石"も効かせて、大いに楽しませてくれる。
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