いつ見ても絶対に良い映画!差別問題を考えろ!
このレビューにはネタバレが含まれています
2020年9月14日 12時58分
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総合評価:
5.0
象皮病という奇妙な病を知らない頃、とある医師がサーカスの見世物小屋で「象男」を発見する。巨大化した頭部と厚くて固い皮膚を持つ「象男」は、間違いなく人間でした。医師は彼を病院に入れ、きちんとした手当を受けさせようとします。ところが、そこでも彼は学会の「見世物」のような扱いになってしまうのです。
ヘイトスピーチだとか黒人問題だとか、さまざまな差別がとりあげられるようになった昨今ですが、根本的な問題はこの映画ですでに語られていると思います。自分とは違った外見の者を、何故人は遠ざけようとするのか。理解しようとしないのか。これは人間がいかに科学技術を進歩させても、全く成長が見られない部分です。
最終的に「象男」ジョン・メリックは見世物小屋にも、病院にも居場所をなくし、街を放浪しますが、どこにも彼を受け入れる場所がないのです。どれほど医師が優しくしても、彼はメリックの魂を救うということを見落としていたのです。
差別される者・メリックは最終的に自ら命を絶ってしまいますが、これは現実ではあってはならないことでしょう。メリックは優しく、その反対におぞましい外見をしていただけなのです。
何故われわれは差別せずにはいられないのか、じっくりと思わず見た後に考えてしまう映画なのです。