マイケル・ジャクソンに影響を与えたダンス!
このレビューにはネタバレが含まれています
2020年8月30日 12時57分
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総合評価:
5.0
小説でも漫画でも、原作を元にした映画は賛否両論が起きやすい。
だが、本作品はあらゆる意味で原作に忠実であるため、ファンも納得する出来栄えとなっている。
ストーリーはもとより、その忠実さの現われがキャストにこそある。
星の王子さま役のスティーブン・ワーナーの愛らしさは文句のつけようがないし、さらに配役が動物であるのにも関わらず、演じきった俳優たちの仕草や動作によって、人の形をしているのにも関わらず、ヘビやキツネに見えてくるのである。
映画を彩る音楽も素晴らしく、何度聞いても色褪せない良さがある。
監督が「雨に唄えば」を手掛けており、ゴールデン・グローブ賞音楽賞に輝いているのだから間違いはない。
おすすめの場面はいくつもあるが、一つは主人公であるパイロット役のリチャード・カイリーの登場するオープニングであり、始まりから歌声で視聴者の心を鷲掴みにする。
更にキツネと王子さまが歌う「だんだん近づく」は見ている側を自然と笑顔にさせてくれるので、元気のない時、へこんだ時に私はよく見返していた。
あと見逃さないでほしいのが、マイケル・ジャクソンにも影響を与えたというヘビ役のボブ・フォッシーのダンスである。
彼が持つ独特の感性の織りなすタンスシーンは必見である。
監督、名優たちが紡ぐ星の王子さまの物語は、子どもたちにも、子ども時代を忘れかけている大人たちにも楽しめる作品である。