時計じかけのオレンジの豆知識・失敗談

豆知識・トリビア
主人公アレックスが作家とその妻を攻撃しながら『雨に歌えば』を演じているシーンは脚本には書かれていませんでした。監督のスタンリー・キューブリックはこのシーンを4日間試行錯誤したものの、型にはまりすぎているという考えに至ります。最終的に彼はマルコム・マクダウェルに踊るよう依頼しました。今度はマクダウェルが唯一覚えている歌を歌い踊りながら、そのシーンに再度挑戦したというわけです。それが非常に面白かったため、キューブリックはすぐに『雨に歌えば』の権利を１万ドルで購入しました。
豆知識・トリビア
マルコム・マクダウェルが数年後のパーティーでジーン・ケリーに会ったとき、往年のスターは背を向け不快そうに立ち去りました。ケリーは、『雨に歌えば』（1952）からの彼のミュージカルが『時計じかけのオレンジ』（1971）に描かれた方法に酷く動揺していたのです。
豆知識・トリビア
レイプシーンの撮影前、エイドリアン・コリはマルコム・マクドウェルのもとへ歩き、「マルコム。今日あなたは、私の赤毛が地毛だって気づくでしょうね」と言いました。

失敗談・うっかりミス
多くの連続するエラーは実際はエラーではありません。スタンリー・キューブリックはオーディエンスが混乱するような感覚を感じるように意図的に連続したエラーを作っているのです。したがって、人々の位置が変わったり、道具の場所が変わったり、帽子（他の衣類も）が消えたり現れたりするのです。
失敗談・うっかりミス
アレックスが飲んでいるワインは、10年物のメドックにしては色が薄すぎます。スタンリー・キューブリックは、アレックスが語った実際のワイン（具体的には1960年のシャトー・サンテステフのメドック）を使用しました。しかし、マルコム・マクダウェルを酔わせずにワインのレベルを一定に保つために、撮影のたびに水を加えていました。キューブリックが満足した時には、ワインは明らかに水増しされていました。