噂に違わぬ超大作。だけど…
このレビューにはネタバレが含まれています
2021年9月20日 14時49分
役立ち度:0人
総合評価:
5.0
基本的には、1941年12月の真珠湾攻撃に至るまでの日本・アメリカ双方の動きを丁寧に描いた映画で、BGMも少なく淡々と各陣営の動きが描かれる作風はドキュメンタリーのようでもあります。
各俳優陣の演技も素晴らしく、各人物の苦悩や覚悟、戸惑いや怒りが良く伝わってきます。
クライマックスの真珠湾攻撃のシーンは迫力満点で、日本軍機の攻撃で炎上する米軍施設や戦闘機、必死に応戦する米兵の姿が鮮烈に印象に残ります。
真珠湾攻撃後に米軍内で日系人に非難の目が向けられるといった細かい描写も多く、完成度は間違いなく高いです。
ただ、一方で登場人物が高級将校から官僚、兵士まで多岐に渡り、名前がある人物だけでも少なくとも数十名が出演していますが、登場人物の名前は初登場時の一度しか表示されず名もない兵士も多数登場します。
このため、大まかなストーリーは分かるもののいくつかのシーンの状況が分かりづらく、どの人物がどういうことをしてどんな問題があったのか把握しづらい場面が時々あります。
総じて「超大作」と言われるにふさわしいほどの重厚な作品ではありますが、きちんと理解するにはしっかり内容をかみ砕く必要もあり、少しハードルが高い作品でもあります。