映画ポップコーンの評価
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この映画「ある愛の詩」は、「愛とは決して後悔しないこと」という主人公オリヴァーの名セリフで、公開当時、一世を風靡し、アメリカでも日本でも大ヒットした、爽やかで美しい純愛ドラマですね。 お話自体はなんてことはない。 大学生のオリヴァー(ライアン・オニール)と女子大生ジェニー(アリ・マッグロー)が愛し合う。 男は名門の富豪(レイ・ミランド)の跡取り息子で、女はイタリア移民の菓子職人の娘。 だから、青年の親の反対にあうのだが、彼は家を捨て、家からの経済援助を捨てて、貧しい結婚生活にとびこむ。 そして、二人で力を合わせて苦労の末、オリヴァーは大学院を出て一流の法律事務所に就職、さあ、これから幸せにという時、ジェニーは白血病で死んでしまう-------。 身分違いの恋の障害といい、死が二人を分かつ悲劇性といい、なんと古風なまでのシンプルさ。 だが、それでいて決してべとつかない。 甘さに嫌味がないんですね。 職人監督アーサー・ヒラーが見せる展開は、生き生きと新鮮です。 当時はやりのヴェトナム反戦と学園紛争の代わりに、アイスホッケーとバッハ。 そして、フランシス・レイの音楽。 その流麗で哀切の旋律が、あふれる"愛の優しさ"を謳いあげます。 よく考えてみると、この映画は本当は"夢物語"なんですね。 ヒロインは現代のシンデレラであり、オリヴァーは王子さまなのだ。 だが、嘘を現実だと思わせるこの映画のうまさ。 父と子の断絶に、当時の若い観客は共感し、愛し合う二人の姿に酔ったのかも知れません。 こんな風に勇気を持ちたい、こんな風に愛し愛されてみたいという、若い世代の叫びにも似た憧れなのだろうと思います。 最後にオリヴァーが、ジェニーを抱きしめる病室の場面では、訳知りの大人でさえ、心の底からこみあげてくる嗚咽を止めることさえできなくなってしまうでしょう。 それにしても、「愛とは決して後悔しないこと」、普遍的ないい言葉です。
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