映画ポップコーンの評価
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この映画「華麗なる賭け」は、スティーヴ・マックィーンがそれまでのイメージを変え、フェイ・ダナウェイ扮する保険調査員とのギリギリの知恵比べと愛を展開する、粋でお洒落でスタイリッシュな犯罪映画の傑作だと思います。 この映画「華麗なる賭け」は、アクション・スターとして活躍していたスティーヴ・マックィーンが、それまでとうって変わって"退屈しのぎ"に泥棒を楽しむという、優雅でエレガントな頭脳犯を演じて、公開当時、話題になった作品です。 主演のスティーヴ・マックィーンは、汗と泥の土臭い匂いが似合っていたウエスタン・ルックから、オーデコロンと胸元のハンカチが似合う、東部の知的なセレブへと大胆なイメージチェンジを図って勝負に出た作品とも言えます。 監督は、「シンシナティ・キッド」でマックィーンと組み、「アメリカ上陸作戦」「夜の大捜査線」と、立て続けにヒット作を飛ばした、当時、絶好調だったノーマン・ジュイソン。 そして、編集に、後に「帰郷」「チャンス」という名作を監督する事になるハル・アシュビーが参加しています。 マックィーン扮するトーマス・クラウンという男は、独身の大金持ちの紳士。大邸宅に住みポロを楽しみ、チェスで頭を休め、サンドバギーでリフレッシュするというセレブ。 それでもまだ退屈なので、トーマス・クラウンは遂に、銀行強盗の完全犯罪を目論みます。 後に、フェイ・ダナウェイ扮する保険会社の秘密調査員が、「なぜ強盗なんか計画したの?」と聞くと、「金のためじゃない、自分で楽しむためさ」と答えますが、何とも非常にぜいたくな泥棒なのです。 この映画の原作は、ボストンに住む弁護士が書いたもので、1950年にボストンのブリンクス銀行から現金120万ドルが強奪され、犯人がいまだに不明という事件をヒントにしていて、この事件は後に、ウィリアム・フリードキン監督、ピーター・フォーク主演で映画化された「ブリンクス」の、あの強奪事件なのです。 ヒロイン役のフェイ・ダナウェイは当時、演劇界では名前は知られていたそうですが、映画界では新人同様でしたが、それでもマックィーンとチェスを楽しむうちに、お互いにその気になり勝負そっちのけで抱き合うシーンでは、その後の彼女の魅力の片鱗が垣間見られたように思います。 そして、映画の画面は、TVドラマの金字塔的作品の「24」シリーズで多用された、"マルチ・スクリーン"をふんだんに使っていて、溢れる程の過剰な映像表現は、まさに"華麗なる"にふさわしい映像の魅力を発散させています。 音楽を「シェルブールの雨傘」「ロシュフォールの恋人たち」などの小粋で、洒落た感覚の映画音楽を数多く書いてきたミシェル・ルグランが、この映画でも映画音楽の永遠の名曲でもある「風のささやき」という素敵なテーマ曲を作曲していて、我々映画音楽ファンを楽しませてくれます。 この映画は公開当時、評価としては芳しくなかったようですが、興業的には大ヒットを飛ばし、マックィーンはこの利益を、自身の映画プロダクションに注ぎ込んで、次にあのアメリカ映画のアクション映画の歴史を大きく変革させた「ブリット」に主演する事になるのです。 なお、この映画は1968年度の第41回アカデミー賞で、テーマ曲の「風のささやき」が最優秀歌曲賞を受賞し、同年のゴールデン・グローブ賞でも最優秀歌曲賞を受賞していますね。
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