裸足で散歩
ニューヨークの演劇のメッカ、ブロードウェイで1963年10月23日に公演の幕を開けてから大ヒット・ロングランを続けた、「おかしな二人」などのウェルメイドなコメディを得意とする劇作家・ニール・サイモンの「裸足で公園を」の映画化作品の「裸足で散歩」。 舞台の演出のマイク・ニコルズに代わって、ジーン・サックス監督が演出し、主演はブレーク前のロバート・レッドフォードが舞台からスライドして、相手役は舞台のエリザベス・アシュレイに代わって、当時、売り出し中だったジェーン・フォンダで、脇をフランスの名優・シャルル・ボワイエ、ミルドレッド・ナットウィック、ハーバート・エデルマンが固めるという豪華で素敵なメンバーが出演しています。 ニール・サイモンが得意とする笑いあり、ペーソスありの都会的な洒落たウェルメイドのコメディ映画として、古き良き時代のアメリカ映画の面白さを堪能出来ました。 ロバート・レッドフォードとジェーン・フォンダは「逃亡地帯」(アーサー・ペン監督)以来、2度目の共演ですが、この二人が新婚夫婦を演じ、ニューヨークのとある古びた屋根裏部屋のあるひどい部屋に住む事になり、そこから巻き起こるゴタゴタを笑いとペーソスで描いていきます。 このようなコメディ映画の良しあしは、脇役の出来不出来で決まる事が多いものですが、この映画では屋上の部屋の住人の「ガス燈」の名優シャルル・ボワイエ、ジェーン・フォンダの母親役のミルドレッド・ナットウィック、電話の工事人役の「男はつらいよ」シリーズにも出演した事のあるハーバート・エデルマンが、ユニークで味のある良い演技をしていて、主役二人に対して、絶妙なバランスの良いアンサンブル演技を示していて、映画全体が非常に良くなったと思います。 ニール・サイモンのいつもの、その独特なウィットの効いたセリフ廻しと都会的な洒落たタッチが観ていて、すごく心地良いというか、ハートウォーミングな感覚がいいんですよね。 そして、彼の得意とする、短いセリフを数人の登場人物が矢継ぎ早やに、かつスピーディに応酬するというコメディタッチの中に、辛辣で皮肉に満ちたペーソス感を醸し出すのが実にうまいなと、いつも感心してしまいます。アメリカ人が、ニール・サイモンのお芝居が大好きな理由がよくわかります。 その後、「明日に向って撃て!」で大ブレークする前の、若き日のロバート・レッドフォードがコメディ映画に出演しているのも珍しく、大いに見どころがあり、泥酔してセントラル・パークの中を裸足で歩き廻り、ゴミ箱を頭から被ったりするなど、コミカルで、非常にチャーミングで素敵な演技を披露しています。 また、若妻役のジェーン・フォンダもまだ、演技派女優になる前の明るくハツラツとした頃の可愛らしさに溢れていて、ロバート・レッドフォードともまさにピタッと息の合った演技を見せています。
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