侵略者が町行く人から奪うもの
このレビューにはネタバレが含まれています
2021年9月22日 12時07分
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総合評価:
3.0
一家惨殺事件、松田龍平演じる真治の人間っぽさが欠落した様子など、オープニングから不気味な雰囲気が漂う映画でした。
タイトル通り宇宙人が地球を侵略する映画なんだろうと思っていましたが、その方法が意外でした。最終的な目標は地球侵略なんですが、調査隊の3人が人間から「概念」を奪い人間を理解した上で侵略するというもの。概念を奪われた人の様子は少し言動がおかしいように見えたり概念を奪われる前より幸せそうに見えたりと様々で、宇宙人の侵略の恐怖というより共通の概念を失った人間について描かれている映画だと思いました。
暴力的なシーンがあり若干グロテスクな表現もありましたが、それよりも手際よく無駄なく静かにじわじわ侵略が進んでいく点に恐怖を感じました。
この宇宙人達と長谷川博己演じるジャーナリスト桜井が行動を共にし、桜井が人間側の目線として彼らと接していきます。侵略を阻止しようとしながらも迷いのようなものを感じ取る事ができ、その迷いと人間の概念が結び付けられているように感じます。想像する侵略とは異なったものでしたが、斬新な内容で楽しく鑑賞できました。