絶望の中でも希望を
2021年5月19日 11時04分
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総合評価:
5.0
チャップリンの言葉の選び方は本当に無駄がなく、ど真ん中に突き刺さります。とことん独裁者を滑稽に描いていて、私は笑ってしまいましたが、当時は笑える状況ではなかったはず。命がけの作品だったと思います。
細かい所まで笑いを要素が散りばめられていて、コインのシーンはシリアスな状況ながらチャップリンのかわいらしいクスっと笑える笑いの要素が入っていたり、独裁者二人の小競り合いは本当に滑稽で楽しく描かれています。美容院で音楽に合わせて髭を剃るシーンや、地球儀と舞うヒンケルなど、一つ一つがチャップリン劇場としての作品になっていて、それだけでも見ごたえがあります。そして最後の演説で、チャップリンの想いがカメラ目線で十分に熱く語られ、やはりチャップリン映画は素敵で、また他の作品も観てみたいという思いに駆られます。「元気をお出し、ハンナ」この言葉がハンナだけでなく、全世界の弱っている人の心に届くといいなと思います。