善悪の判断が難しい
このレビューにはネタバレが含まれています
2021年8月11日 18時26分
役立ち度:0人
総合評価:
4.0
この作品のジャンルはSFかと思われますが、そのSFの中でも、一風変わったテーマを取り扱った作品に感じました。
私がもっとも興味深かったのは、人が究極の状況に陥った際にとった行動の善悪について、考えさせられた、ということです。
通常であれば、主人公のジムが、オーロラに対してとった行動は、許されないと思います。
しかし、ジムからすれば、ひとりで、誰とも接することなく一生を終えるか、気になって仕方がない女性を起こすのかの究極状態。
冷静な判断ができる状態であれば、当然許されないと思います。
しかし、ジムは、オーロラが気になるのと同時に、精神がほぼ崩壊してしまっていたとも考えられます。
そのため、ジムがとった行動は、もうまともな精神を持ち合わせていない人間がとった行動と捉えれば、致し方ないと思えてくる節があります。
しかし、行動をとられた張本人のオーロラからすれば、そんな悠長なことは言っていられないでしょう。
今までの人生計画が、全て消えたのです。
事実が判明した時に、オーロラがジムに対してとった行動も、致し方なく感じます。
究極な状況が故に、善悪の判断では語りきれないのが、本作の魅力のひとつに思います。
しかし個人的に、あのような形でラストを迎えてくれたことに、胸をなでおろす気持ちであり、切なくも嬉しく感じました。
イメージワード
- ・楽しい
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