爽やかな良作
このレビューにはネタバレが含まれています
2021年1月6日 21時04分
役立ち度:0人
総合評価:
5.0
最初漫画から入ったのでキャストを聞いたときに小松菜奈は合いそうだけど、大泉洋はどうなんだろう?と思ったけど、結論から言うと杞憂でした。
主人公のあきら(小松菜奈)は恋愛とは程遠そうな女子高生で終始けだるそうな感じです。しかし片想いしているアルバイト先のファミレスの店長の近藤(大泉洋)の前ではモジモジしたり、グイグイ行ったりと素の女子高生になります。
普段のあきらは目つきが鋭くキツい印象ですが、近藤と話していると柔らかい印象になるギャップに思わず引き込まれること間違いなしです。あきらが怪我で全てを賭けていた陸上を諦めなければならない落ち込んでいる時に優しく接してくれた近藤に好意を持ち始め果てはそこでアルバイトして接近してしまうという超行動派の側面も見ていて清々しい気持ちになります。
近藤と横浜デートする前に実はあることがきっかけで同じ店の加瀬と横浜デートするあきらの表情や対比があって中々面白い演出になってます。
近藤はおじさんだからという負い目からかデートを穏便にすませようとしているのにあきらはデートしてくれてノリノリで終始笑顔なのが微笑ましくて良いシーンです。
最後はあきらの想いがあまりにも大きくなり過ぎてしまうけど近藤の自制心で実らない恋となっていきそうな気配が切ないです。その後の砂浜で近藤の息子にあきらが走りを教えるシーンが素敵ですが、撮影が真冬で非常に寒かったそうです。
ファミレスであきらが近藤に「この街には何もありません」っていう意味深なセリフと近藤とデートの日程が決まった予定表に顔を埋めてニヤついている(表情は見えない)シーンが個人的には凄く好きです。
こんなに真っすぐで切なくて爽やかな恋愛映画を久しぶりに見ました。