異色の胸クソ映画
このレビューにはネタバレが含まれています
2021年2月4日 22時15分
役立ち度:0人
総合評価:
3.0
この手の映画はいつも展開が決まっていて、始めは興味を惹かれてつい鑑賞してしまうものの、「やっぱりこのパターンだったか・・・」とラストでがっかりすることが多い。
この『エスター』も例に漏れず、起承転結はほぼ同様。
でも、冒頭から漂う空気感が何か違う。
そもそもパッケージからして今まで感じたことの無いようなイヤな感じ。アップの少女の顔はどこか陰気臭く、『この娘どこかが変だ』のキャッチコピー通りの印象。具体的に『何が変』だとは言えないのに、どことなく異様な雰囲気が漂っているのです。
その得体の知れぬイヤな感じの正体は後半明かされるのですが、その事実自体がもはやホラー。血が流れ、人が殺されるような直接的なシーンよりも、どう見ても見た目が子供の彼女から発せられる『女』のオーラ、性的な香りのするオーラ自体が気色悪い。
一番不快だったのが、変な厚化粧とドレスで『お父さん』に言い寄るシーン。本当にゾッとしました。
主演の子は可愛らしい女の子のようにも見え、それでいておばさん顔のようでもある絶妙な顔立ち。それに加え、ゴシックテイストの衣装と、抜群の不気味さ溢れる演技力で、サイコホラーの主人公を見事に演じ切っています。
ちょっと異色の胸クソ映画でした。