どうしようもない
このレビューにはネタバレが含まれています
2020年7月22日 16時44分
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総合評価:
4.0
とにかく、どこまでもどうしようもない映画だった。
実際あった、川口市祖父母殺害事件が元になっている。
何故、息子は祖父母を殺害したのでしょうか。
親や友人からお金をせびり、離婚、育児放棄、パチンコ、男にだらしない。窃盗。ここまで働きたくないものなんだろうか。っていう母親。
子供を学校に通わせず、子供に親にお金をせびりに行かせて、ビールのを買わせにいかせたり、挙句の果てには、男のためお金を用意するために両親を殺させに行かせる。
毒親といわれているけれども、どこまでも凶悪すぎて圧倒させられる。
でも、息子はまともそうな父親についていくと言わず、母親についていくと言うんですね。
意味がわからない。
息子は、刑務所に入り、母親は、祖父母の殺害を指示したのに、認めない。息子は、母親の指示ではなく自分でやったと言ったため、裁判の結果懲役15年。
勉強に意欲があり、学校に行きたいと唯一母親と離れたいと主張しただけで、どんな事をされても母親といるんですね。
弁護士が母と息子の関係は、共依存というと言っていました。
刑務所で面会に来た保護司に最後、「お母さんのことが好きなんです。だめですか?」と言う。
そう言われると何もいえねーー。ってなりますよね。
涙が止まりませんでした。
皆さん、エンドロールになっても席をたてない。
母親役の長澤まさみちゃんや、内縁の夫の役の阿部サダオさんの体当たりの演技も良かったですが、特に、息子役の奥平大兼くんの演技が痛々しく繊細で良かった。なんだか印象に残ります。
映画「誰も知らない」でカンヌ映画祭で主演男優賞に輝いた柳楽優弥くんのような存在感が、何かの賞に輝くかもしれないと思いました。これからの活躍が楽しみです。