ナターシャの人生
このレビューにはネタバレが含まれています
2021年8月17日 15時15分
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総合評価:
5.0
今作ではアベンジャーズの一員ナターシャの人生に焦点を当てています。
ナターシャが過去どのように生きてきて、アベンジャーズに合流したかが理解できる作品になっています。
ナターシャは父のアレクセイ、母のメリーナ、妹のエレーナの四人で平和に暮らしていた。しかし、それは偽りの家族だった。ある日ナターシャ一家は敵に追われアメリカからキューバに逃亡することに。
個人的に好きなのが家族と共に敵から逃走する車内でのシーン。妹のエレーナが「アメリカン・パイ」をかけてとリクエスト。歌詞には「今日は私が死ぬ日になるだろう」と不吉なフレーズがあるが、お構いなしで曲にノッているところが深刻な状況にミスマッチで、ナターシャ一家そのものを表しているようでした。
幼少期の描写でもうひとつ好きなのが、エレーナがブランコで怪我をしたシーン。その時に母メリーナがエレーナにかけた言葉が「痛みは人を強くする」です。この言葉が後のナターシャの生き方に影響を与えるのです。
物語の本軸であるスパイ組織「レッドルーム」との対峙。女スパイとして自分を育ててきたドレイコフとの対決からは、ナターシャが過去に犯してきた過ちを清算し、これからアベンジャーズの一員として生きていくという強い決意が見て取れました。戦闘シーンでは女性ならではのしなやかさ、強さが際立っていました。強く賢いナターシャはDCMのなかでも一番の憧れの女性です。
結果、再集合した偽りの家族と共にレッドルームを殲滅することに成功。スパイ組織の都合で集められた四人は、本当の家族ではないけれど、幼少期の楽しい思い出を共有し、お互いを想い戦いに挑んでいる。今作にはいたるところに家族愛が溢れていて胸が熱くなり涙しました。