今観ても面白い邦画パニック映画の傑作
2021年9月1日 15時32分
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総合評価:
4.0
半世紀近く前の作品ですが今観てもすごく面白い。
ストーリーとキャスティングの相乗効果が見事で、特に宇津井健の「正義感」溢れるかっこよさと、犯人役の高倉健への、彼はきっと「仕事」をやり遂げるに違いないという妙な信頼感とがぶつかり合い、最後の最後まで緊張感が途切れない。
特殊撮影の技術面では現在と比べるべくもないのですが、とは言えあの『シン・ゴジラ』でオマージュされている程のクセのあるアングルが多用され、臨場感はなかなかのものがあり、さらに、事実をうず高く積み重ねたところに、上手に噓を紛れこませ、まんまとハラハラドキドキさせられてしまうテクニックが凄い。
先日亡くなった、青木運転士役の千葉真一氏の配役も、一見「何故アクション俳優の彼がこんな役を?」と感じるのだが、自由度の極めて低い新幹線運転士(青木は元蒸気機関車乗りだった)と、得意のアクションを生かせない千葉本人とが重なり、ひたすら耐える苦しみがとても伝わってきて、ある意味良いキャスティングだと思う。