観る時期によって変わるメッセージ
このレビューにはネタバレが含まれています
2021年8月11日 14時56分
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総合評価:
4.0
多くの映画というものは、観る時期によって、得られる感想や学びが、違うように思います。
本作も、そのひとつです。
私が以前、本作を試聴した際に、得たメッセージとは、
「人生は前向きに、何でも受け入れる(何でもYESというような)姿勢で臨むとうまくいく。」
と、いった意味合いが強かったように思います。
しかし、それから5年ほど経過し、再視聴したところ、違った感想を得ました。
それは、以下のようなものです。
「人生には、決まった成功法則などないため、自分の感覚を信じて、前向きに進むと良い。」
それはある意味、映画の中で、ジム・キャリー扮するカールが得た学びと同じに思います。
カールも、はじめはセミナーの教えに則り、全てに対して「YES!」ということで、物事が上手くいく体験をします。
しかし、ある時、どうしても「YES!」と言えない状況が起こり、それに「NO!」といった途端、良くないことが起きる状況に襲われます。
それに動揺したカールは、セミナーの主催者に相談に行くのですが、必死の様相のカールに、主催者は、
「セミナーの内容は嘘だ」
と、言い放ちます。
その言葉を聞いたカールは、「NO!」と言いたいことには「NO!」と言って良いんだという、ある意味当たり前の事実を知る訳です。
私も、ある時期まで上手くいっていた信念が、急に通用しなくなるという実体験をしました。
それはつまり、カールのように、ある時までは自分にとって必要であった(YES!というような)信念も、ある時からはバランスをとって生きる必要性が出てくる、ということであると思っています。
少し真面目なレビューになってしまいましたが、本作は、真面目ではない要素もたくさん詰まった、バラエティに富んだ良作と思います。