死よりも死を意識することが恐怖
このレビューにはネタバレが含まれています
2020年9月8日 17時32分
役立ち度:0人
総合評価:
4.0
性行為をすると人に移る呪い。なので移されたら別の誰かに移せばいいんですよね。
呪いの根源は分からないんですが、とにかく移されると奇形な人間のようなものに追いかけられます。しかもゆっくりゆっくり。
エイズの教育にいいのでは、と思いました。あと、ゆっくり近づいてくるので注意していれば逃げられるんですよね。これは日常でも、例えば交通事故や不始末での火事なんかに例えられるのではと思いました。注意していたら回避できる。でもずっと気を張っているわけではないからふとした瞬間にドキッとすることがある。そんな感じの恐怖です。
目に見えないものを目に見える形にしたのがこの映画なのではないかなと思いました。
最後、主人公たちは目の前の恐怖とともに生きていくことを決断します。同じように死と隣り合わせでも、その覚悟をしただけで随分頼もしく見えるし、前ほどその「イット」も怖く見えません。なにせ戦おうと思えば戦えるし回避できる恐怖だからです。
ただ、この作品のもつ不安な要素は、コロナ禍でも同じような気持ちの人が多いのではないかと思いました。