大半の作画がいいアニメは『きれい』で終わるが、このシリーズに関しては『芸術』だと思う。普通のアニメでは省略してしまうような細かい人の表情の動きなどをしっかりと描ききっていてスタッフの本気を感じる。まるでスタッフの魂が込められているような感じがした。無理矢理泣かせにくるのではなく自然に涙がこぼれてしまうような、静かで丁寧で美しい作品。メッセージ性もあり、見るたびに発見があったり構成が洒落ている。 『大切な人のいる大人』に特にみてほしい。忘れがちな大切なことを思い出させてくれるような作品で、何年か後にみても色褪せないような作品なのではないかと思う。
テレビシリーズの続編ではあるが単体映画としてもまとまっていて見られるつくりで、初めてでもそれなりにみられる(テレビシリーズをみていればもっと楽しめる)作りになっているのがいい。
言いたいことがあるとすれば原作小説からテレビシリーズの時からすでにかなり変えてしまっていたこと。原作小説がかなりよかったので何故変えてしまったのかという部分がいくつかあった。これは小説を読んでいて好きだからこそのマイナス部分でした。言いたいのはこれだけ。とても良い作品だと思いますし、知らない人が多いのが勿体ないと思います。ぜひ一度みてみてほしいです。2020年にみたアニメ映画の中で一番よかったと思いました。