この映画の特徴は何といっても美しさと恐怖の融合と言ってもいいかもしれません。サイレントヒルという廃墟の町で進行する物語の中で、目を見張るのはその町並みを取り巻く幻想的な環境です。灰が降り続け、視界が悪くなるほど一面白一色の世界が広がり、その中で何やらうごめく怪しき者たち。状況が変われば赤い錆が町全体に広がってより恐ろしい世界に変わっていく。そういった芸術的センスと恐怖感があいまって物語の質をあげているように感じました。またもともとゲームから派生した映画なのですが原作の何が起こるかわからない展開やミステリーな部分を落とし込んで、より映画らしくまとめている部分も素晴らしいと思います。(自分自身、ゲームをプレイしたことがあったので、おもわずにやりとしてしまうネタがたくさんありました。)そして物語の起点となる母と娘がサイレントヒルの町でどのような真実を見つけるのか、どのような結末を迎えるのか考えながら見ると面白いです。