レンタル店でこのパッケージを見てB級ホラーが大好きな私は「こ、これは面白そう!!」と思って借りてしまいました。
なんとなく製作費もかかっていなさそうだし、出てる人も監督さんも知らん人だし、店舗で初めて存在を知ったような映画でした。
だがそういう映画には掘り出し物があるようでこれも私にとっては「当たり」でした。内容は3人の男女がリフトで寒い中に「中吊り」にされる話で、感想を言えば「痛いし寒い、だがお前らが悪い」。
逃げも隠れもできない宙ぶらりんのリフトの上で男女がいがみ合い、後悔しあい、泣いたり憎んだりってその恐怖の感情がリアルでいい。
自分的にその役者さんたちを知らなかったというのもあったんですが、心霊モノや恐怖モノの再現ドラマなんかで無名の俳優さんが演じていて、その方の素性がよくわからないからリアルで怖い、っていう感覚なんです。画面もほとんどリフトの上の3人しか演者がいない状態なので場所が広大な雪山なのにも拘わらず、巨大なクローズドサークルとでもいうような不気味な閉塞感がある。その環境とやり取りはまさに芯から凍えるような絶望感です。
しだいにあれる天候、冷える身体。限界をむかえる人間の精神状態…。閉じ込められるという状態、それによって疲弊し荒れる人間関係、という要素がお好みの方ならきっと満足すると思います。