あまりにもかっこいい。かっこよすぎる作品だ。
見ている間ずっとワクワク、いや、ワクワクするような内容ではないかも知れないが、終始ドキドキ。こんなにもどのカットもかっこよくて痺れる作品があるのかと感動した。始まり方もかっこよければ、終わり方までかっこいい。もし劇場でひとりで見ていたらスタンディングオベーションしていたかも知れない。そのくらい最高な作品だった。見終わった後気づくと好きなシーンが10個出来ていた。目も心も満たされて鳥肌が立って、劇場を出た時は素晴らしい映画を見た喜びでスキップしたり駆けたりして帰った。レイトショーで幸いだったと思う。映画館に行って適当に選んだときは人も全然いなくて、有名でもなくて何も期待せずに見始めたのに…雷が落ちたような、映画を見る喜びを改めて全身で感じることになるとは。
この映画の主人公はとにかく、めちゃくちゃに怒っている。行動も破茶滅茶かも知れない。でも一貫していて、この主人公はいい人なんだなというのがわかる。人間性の話だ。主人公だけでなく、周りの人達も混乱しているというか、怒っている人が沢山出てくる。キレていたり、どうしようもなかったり、情けなかったりする。めちゃくちゃ悪いというわけではないけどとにかく治安が悪い感じで、見ていて気分が悪くなる人もいるかもわからない。辛い気持ちになるシーンも沢山ある。
それなのに、見ていた私は泣いたり笑ったり、結構ずっと泣き笑い状態で映画を見ていた。いちいち行動から台詞から、最高過ぎるのだ。ユーモアが効きすぎてるというか…自分自身も怒りを抱えていたからかも知れない。好きな人はとことん好きになる映画だと思う。私もこの映画がピッタリハマったひとりだ。
この映画は一見怖い。でもほとんど優しさで出来ていると言って過言ではない。
もし怖くて集中出来ないとか、みんな怒っててわけがわからないとか思ったとしても、シーンの切り取り方を見て欲しい。彼等が身につけているものや風景まで。絵画的なかっこよさ、絵的な美しさも痺れるくらいにある。