私はこの映画のエンドロールを見ている時に、自分が泣いていることに気がつきました。いつどのシーンで涙が溢れたのかわからないくらい、静かに、自然に涙が溢れていました。
それくらい自然体で見れ、ゆっくりとした時が流れる素敵な映画でした。
私の祖母も樹木希林さんが演じていた武田先生のように、お茶の先生をやっていたのですが、まだ幼かった私には何をやっているのかよくわかりませんでした。ですが、この映画の武田先生を見ていると、なんだか自分の祖母の生前を見ているような気持ちになりました。
また、多部未華子さんと、黒木華さんの演技も素晴らしく、ついつい映画の世界に引き込まれてしまいます。
印象に残っているシーンは初釜のシーンです。厳かに着物を着たおばさま達の浮足だった姿がなんとも可愛らしくて、ついつい笑ってしまいました。
そしてもう一つ、私のお気に入りのシーンは、多部未華子さんと黒木華さんが美味しそうにお茶菓子を食べるシーンです。子供の頃に祖母から余ったお茶菓子をもらったことを思い出しました。
自然にゆっくりと流れていく時間が感じられる、とても心地良い映画でした。