物語はある女性の死体が発見されたところから始まります。その現場には、主人公・加賀との繋がりが示されるあるものが…。母との繋がりを示すこのあるものをヒントに事件を紐解いていきます。
この映画は小説が原作で、前作の「麒麟の翼」に続くシリーズ10作目が映画化されたものです。
事件の謎が混乱し、そのつながりが示唆される中、ある推測が生まれます。それが事実であると分かったとき、物語は大きく真実に近づきます。
最後にはこれまでの容疑者の悲しくも親子の愛が描かれている過去から現在までが振り返られています。きっかけとなった出来事を基点に、親子は別々に引き裂かれながらもひっそりと幸せを感じていましたが、嘘を積み重ねることにより最後まで親子の愛を引き立たせるのでした…。
何気なく見た作品でしたが、一度見ると見返したくなり、じわじわと後から考えさせられる作品でした。親にとって子どもは命を懸けででも守りたいもの。そして子どもも、小さいときの記憶は消えることなく、親孝行したいと考えるもの。それを具現化した作品ではないかと思いました。