原作を超える絶望感
2021年2月21日 14時48分
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総合評価:
4.0
原作はスティーブン・キングの中編小説「霧」。
自分は学生時代にこの小説を読み、是非自分が監督をやって映画化してみたい、
などと思っていたが、この映画の監督である、フランク・ダラボンも
どうやら同じことを考えていたようだ。
そのくらいこの小説は魅力的だった。
よく友達とどこのシーンを撮りたいか? などと勝手に想像を膨らませたりも
していたが、自分はやはりあの触手が伸びてくるシーンは絶対にやりたいと思っていた。
映画でもやはり、触手のシーンは存在しており、そういう意味でもこの映画を撮った
ダラボンにはシンパシーを感じてしまう。
ラストの方で、バカでかいバケモノがでてくるが、あれも原作の中に存在しており、
絶対自分も登場させようと思っていたのでうれしかったが、描写は自分のイメージとは
違っていた。違うと言えば、映画の中の霧の世界は真っ白だったが、自分の勝手な
イメージでは、もっと陰鬱な情景であった。
そして映画は衝撃の結末へと向かっていく訳なのだが、ここは原作とは全く違う。
原作は全く放りっぱなしな感じだったのだが、映画では……
これは言えませんね。でももうすでに多くの人が観ていることでしょう。
原作を超える絶望感が味わえる、数少ない映画だ。