料理映画の王道
2021年8月14日 14時44分
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総合評価:
3.0
「マーサの幸せレシピ」のハリウッドリメイクである本作品。レミーのおいしいレストランと比べると知名度が低いですが、こちらも負けず劣らず優れた料理映画です。主人公の女性は男社会の厨房で勝気でキャリアを築いており、余裕のある(ようにみえる)イタリアンシェフと一方的に対立します。料理と家族愛を丁寧に描きながら安心して楽しめる名作。
原作もそうですが、傷心の少女が自ら食事をとるシーンは泣けます。主人公の「どのように扱ったらいいのかわからない」とまどいと、それをあっさり解決してみせるイタリアンシェフの対比が楽しいです。ふざけているようで、とても人の扱いが上手なんですね。そして、主人公の料理へのリスペクトもあり、まったく悪い人ではないんです。
料理も美しく、ストーリーも丁寧に描かれた本作。原作とリメイク版ではエンディングが異なりますが、こちらはこちらでいいエンディングです。ただ、原作のほうが男女の対比、ドイツ人とイタリア人の対比が効いて面白いので、合わせて鑑賞することがおすすめです。