シルヴェスター・スタローンが主演・脚本に加えて演出も担当している、ワンマン映画
2024年4月4日 15時56分
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総合評価:
3.0
この「ロッキー」の続篇、「ロッキー2」は、シルヴェスター・スタローンが主演・脚本に加えて演出も担当している、ワンマン映画ですね。
「ロッキー」の後、主演した「F・I・S・T」も、監督兼任の「パラダイス・アレイ」も、今一つパッとしなかったスタローンとしては、なんとしても、この映画を成功させたかったに違いありません。
彼のそんな初心に帰った、その気迫が、作品の出来は別としても、この映画の強烈な熱気となって表れていたと思います。
物語は、前作のあの感動的なクライマックスから始まります。
あのチャンピオン・アポロとの死闘。駆けつける恋人・エイドリアン。
予想以上の頑張りを見せたロッキーは、一躍、人気者になります。
CM出演の話もきたし、家も買った。
エイドリアンと結婚し、彼女は愛の結晶を身ごもります。
そんな中、アポロは再試合を求めるんですね。
あの時、ロッキーを叩きのめせなかった不満。
つまり、焦りを露わな怒りに変えての挑発なんですね。
だが、ロッキーは、この挑発には乗らない。
エイドリアンとの約束があるからだ。
しかし、生活は次第に苦しくなり、彼は精肉工場や沖仲仕などの肉体労働で働くが、うまくいかない。
妻も身重のまま、ペットショップで働きます。
とうとうロッキーは、再試合の調印をしてしまう。
それを知った妻は、倒れて早産、昏睡状態のまま、生死の境をさまようことになるのです。
神の前で、妻の蘇生を祈るロッキー。
やがて、意識を取り戻した妻は、ロッキーの手を握りしめて、ひとこと言う。
「私とベビイのために勝って」。
あまりにもベタな場面ですが、でも、いい場面ですね。
そして、これからが、レビューでも触れられていたように、アドレナリンの上がる、怒涛のいい場面へとなだれ込んでいきます。
朝陽を背に、力いっぱいのトレーニングをするロッキー。
人間、やる気を起こした時の爽快な感情の高まりを、映像のリズムに再現した見事な場面ですね。
そして、チャンピオン・アポロとの激闘、勝利。
恐らく、公開当時、アメリカの映画館では、観客のもう総立ちの拍手が鳴り響いていたでしょうね。
もう、本当にベタな演出なんですが、観る者の心理を十分に読み込んだ、うまい盛り上げ方ですね。
それだけに、当然、結果は予想がついていたにもかかわらず、でも、わかっていても、ロッキーに声援を送りたくなる魅力を、この映画は持っているんですね。
裏町で、力いっぱい生きて行く勇気。土壇場で立ち上がる、その意欲。
ストレートに、素直に、観る者の心に響いてきます。
映画を観るという行為の中で、これはやはり、大切な事なのだと思いますね。