「愛」も描かれています。
このレビューにはネタバレが含まれています
2021年1月7日 14時35分
役立ち度:0人
総合評価:
4.0
「巨大隕石が落ちてきたら」という設定のお話です。
この手の作品の場合、大抵は有能な科学者たちの手によって危機が回避されるというパターンが多いです。
しかし、この作品ではそうではないのがまず第一の好感ポイント。
レビュー書き始めてからネタバレですが……。
後半のインパクトが強いため、忘れてしまいがちなのですが、この巨大彗星は初めは天文好きの学生たちが見つけたんですよね。
それをある天文台に知らせ、そこの職員が事態の深刻さに気づき、知らせに走るも……。
そして物語はその一年後からになります。
秘密裏に進められていた彗星への対策。
核爆弾で軌道をそらすことにしたものの結果は非常に惜しいことに。
この作品は彗星衝突との闘いの物語でもありますが、真のテーマは人と人との繋がりかと思います。
彗星が衝突することは避けられないことが判明し、現代版ノアの箱舟が作られていたことが明かされます。
そこに入れるのはごく一部の人間。
ある者は選ばれなかったことに憤り、ある者は選ばれても残ることを決意します。
そこには愛する人を守りたいから、一緒にいたいからという想いが込められています。
衝突からの大津波シーンは迫力たっぷり。
SFでありながら人間愛も描かれた物語です。