ホラー映画最高峰の一つ
2021年2月15日 12時39分
役立ち度:0人
総合評価:
5.0
ダリオ・アルジェント全盛期の1作。
一応物語はあるのだが、あまりそこに囚われて観ない方が良いだろう。
この映画の良さは何と言ってもその映像美にある。
赤・青・緑などの原色を基調とし、極度に色彩のコントラストをつけた画作りは、
外連味たっぷりで、観客を問答無用に異世界にブチ込んでしまう事に成功している。
その他異様な影や大きな怖い男、また酒場でのダンスや鏡を反射させる老婆など、
おそらく細かい意味などは何もないのだが、不気味で怖がらせることだけを
目的とした過剰なまでの恐怖演出がこの映画では数多くなされており、
とにかく怖い、というホラー映画の至上命題を達成することに大きく貢献している。
いや、それ以上にこの監督、ガチでヤバイんじゃないの、と思わせるような、
そんな演出が満載なのだ。
怖いと言えばゴブリンの演奏するあの有名なテーマ曲もそうだろう。
昔突然、夜のデパートの屋上でこの音楽が流れてきたときは、泣きたくなる思いだった。
この映画の前に作った「サスペリア2」(日本では公開が後だったので、「2」とつけられてしまった)や
この映画の2本後の「シャドー」などが個人的には好みであり、
世界観の構築という意味では非常に高い完成度を誇る映画群だ。
ただ最近ではもうこの頃の様な作品にはお目にかかれず、寂しい思いをしているのだが
それは私だけではないはずだ。