ヒーロー漫画へのノスタルジーに満ち溢れた、大爆笑する理屈抜きに面白くて楽しい映画
2024年2月7日 11時23分
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総合評価:
4.0
この映画「少林サッカー」は、ヒーロー漫画へのノスタルジーに満ち溢れた、とにかく観て大爆笑する理屈抜きに面白くて楽しい映画ですね。
監督・主演は、ドニー・イェンと共に、世界中でブルース・リー(李小龍)を最も愛する男チャウ・シンチー。
少林拳を世界に広めるために、かつて少林寺で学んだ6人の仲間が結集してサッカーチームを作り、ハイテク・トレーニングや筋肉増強剤で人間サイボーグと化したデビルチームと対戦する事に。
カンフーを自由自在に操り、超人的なスピードで展開されるプレーの数々。
一昔前のスポ魂ドラマを思わせるストーリー展開に、シュールな即興ギャグのつるべ打ち。
とにかく、面白すぎます!!!
この映画は、"ノスタルジー"というツボに弾丸シュートを決めてくれるのです。
それも懐かしいヒーロー漫画へのノスタルジーなのです。
とにかく試合のシーンが凄い、凄すぎます。
ボールは火を噴き、人は宙を舞う。「そんなアホな!」と思わず突っ込みたくなるような超人プレーのオンパレード。
これは、まさしく漫画「キャプテン翼」の世界そのものなのです。
どうせ映画、フィクションなんだからと、"開き直ったような潔さ"が、この映画に比類なきパワーを与えているのだと思います。
そう、ヒーローは何だってやり遂げてしまうのです。
香港映画伝統のワイヤー・アクションや最新のCG技術も、この漫画的な世界感を映像化するための単なるツールに過ぎず、リアリズムの価値をはき違えた最近の映画には、このフィクションが生み出す途方もなく、底なしの興奮が希薄になっているので、そういう意味からもこの映画の価値があるように思います。
おおよそカンフーの使い手には似つかわしくない肥満の男やおっさんに、ブルース・リー気取りのキーパーなどなど。
ブルー・リーおたくのチャウ・シンチー、やっぱり、ブルース・リーへのオマージュをしっかり映画の中で描いています。
対するは、コテコテの悪役。ダメ人間が巨悪を討つ。
このカタルシスも、ヒーロー漫画へのトリビュートになっていると思います。
そして、このようなおバカなキャラクターを照れる事もなく堂々と演じ切った面々に拍手を送りたいと思います。