奴隷制度の過酷さを描いたシリアスな映画
このレビューにはネタバレが含まれています
2021年2月12日 10時10分
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総合評価:
3.0
第86回アカデミー賞作品賞、助演女優賞、脚色賞受賞作品。
奴隷制度の決して目を背けてはいけない現実、史実を描いたシリアスな映画。裏切り、暴力、レイプ、処刑、非人間扱いなど、非道かつ目を覆いたくなるシーンが満載です。
実話を基にしていることもあり、当時のアメリカの状況を知る一助にするにはとても良い作品だと思います。
ただ、はじめは善良そうに見えた主人公が、逃亡の疑いから逃れるために嘘をついたり、追いすがる仲間を差し置いて自分だけ助け出されたり、家族の元に戻ってめでたしめでたし的な終わり方はどうも腑に落ちず・・・。どんな人間をも変えてしまうほど過酷過ぎた状況を理解することはできますが、どうも好きになれないストーリー展開でした。
同じく、同賞3部門受賞(こちらは助演男優賞)、実話ベースの黒人差別をテーマにした作品として、他に『グリーンブック』がありますが、私は断然こちらの方が好き。
黒人差別問題のどの時期、どの部分に焦点を当てたストーリーかや、脚色の度合いにはよるものの、つい笑ってしまう場面あり、涙あり。子供にも安心して見せられて心が温まる『グリーンブック』の方が、映画としては秀逸だと思ってしまうのです。