主人公のストーカーがキモ面白い
このレビューにはネタバレが含まれています
2021年8月5日 09時58分
役立ち度:0人
総合評価:
4.0
ロビン・ウィリアムズの本性を幾重にも覆い隠している演技が光ります。デパートの写真現像係の仕事をしている中年男というまたそそる主人公設定です。
追い回す、待ち伏せするなどのTHEストーカーというわけじゃなく、どちらかというと見守る系のストーカーで前半は実に静かなものです。とはいえ、お目当ての家族の家に家宅侵入して寛いだりトイレをしたりと犯罪はしてますけど。
後半になるととある事件がきっかけで今までためにためた異常性がついに花開き、狂っていきますが、そのキレっぷりも歪んでいて一筋縄じゃいかない点が斬新で面白くある種くだらなさの塊でもあるのですが、オリジナリティーが抜けてるので見ていて楽しいです。
そしてラストの一コマですね。この中年男の本音が明かされるんですが、彼の求めたものは、夫に成り代わることではなく、あのような形の家族になりたかったというのもまたキモい。キモさのさじ加減が絶妙で生理的にくるタイプの背筋がもぞもぞする映画でした。