銀行、投資家、あの喧騒の中を垣間見れました。
このレビューにはネタバレが含まれています
2021年9月13日 13時39分
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総合評価:
4.0
この作品を観るのに「空売り」ってどういう事なのかを調べてみました。その方が、皆のやっている事を理解する助けになった気がします。
リーマンショックに至る少し前、先ずは「サブプライム・ローン」が焦げ付くと読み、そこに保険をかけさせたマイケルの腕に脱帽しました。
そして、景気の良い話の上にどっかと乗っかって中身を見ようとしない(見てはいるだけで思考がストップしている)人々と、対照的に中身のからくりを精査し、現場に足を運んで自分の目で見極めていく人達、その渦の中に入っていたら、さて自分はどちら側にいたのだろぅと考えさせられました。
銀行は自分達が儲けたいが為に、ついには安定した収入のない人にまで審査もなく家を買わそうとしていたのは、大きな犯罪組織の様にも見えてきましたが、結果は捕まった人が殆どいなかった(むしろ上層部は守られた!?)という事に愕然としました。そういったカラクリに引っかからない知識を持ちたいものだと痛感しました。
印象に残ったのは、空売りをして大金を手にする事ができ大喜びをする若者に、彼らを手助けした引退したベテラントレーダーだったベンの「(この事態は)皆が家・仕事・年金を失う事だ」と厳しく言うシーンでした。
祭りが終わった静けさの様に、最後は静かに終わっていく様子に少ししんみりしてしまいました。