原作の雰囲気をうまく取り入れています
このレビューにはネタバレが含まれています
2021年1月25日 12時52分
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総合評価:
4.0
全身整形の大人気モデル・りりこの物語です。
この作品では、りりこの整形はかなり厳しいものとして描かれています。
それは続けて施術を行わないと全てが崩れてしまうほどに。
美しい彼女ですが、全ては虚像です。
どこかむなしいその生き方と、時折メンテナンスをしなければいけないという現実の厳しさからでてくる狂気がうまく描かれています。
私は本作は原作から入りました。
蜷川実花監督の独特の色使いが、原作の雰囲気に合っていていい感じです。
同監督の「さくらん」ではかなり違和感があったのですが、この作品においては良。
強い原色が狂気の世界観にあっていていいんですよね。
ただ、派手な色使いが続くのはちょっとおなか一杯かなぁ。
あと個人的に気になったのはりりこのマネージャーの羽田。
彼女は原作では健康的で可愛らしい子です。
しかし、本作では地味で暗い感じの女性として描かれているのが惜しいです。
りりこは羽田も自身の狂気に巻き込んでいきます。
普通の女の子が巻き込まれていくところが肝でもあるので、ここは原作に沿ってほしかったと思いました。