桐島を出せ
2020年8月19日 22時43分
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総合評価:
4.0
桐島はどこだー!桐島を出せー!と叫びたくなる映画でした。
桐島はバレー部で学年の人気者でみんなが気にかけている彼が、バレー部のエースというアイデンティティを誰にも相談せずにさらっと脱ぎ捨ててしまいます。自分とは何か、どういう人間かを必死で繕う周りの人たちは困惑します。
高校2年の秋になって、将来を決めなくてはならないのに自分が何になりたいのか、どうしたいのか、自分でも分からない、分かっていてもできるかどう分からない、、、みんなの心が少しずつ動いています。
好きな人を遠くからでも見たい気持ちや、放課後校舎に響く吹奏楽部の練習する音、野球部の声などなど、自分の高校時代にシンクロしてすごく生々しく、自己実現できない息苦しい気持ちや優秀な人に嫉妬する気持ち、誰かに執着する気持ち、孤立したくない気持ちなど思い出しました。観ている人によって感じ方が変わる映画だと思います。現役高校生に観て欲しいです。自分というものは周りに左右されるものではなくて、自分の選択によって形作られていくものなはず。大人になっても高校時代の気持ちを褪せるこのなく持ち続けていた原作者の朝井リョウさん恐るべし。