謎多き美しい通訳者です
このレビューにはネタバレが含まれています
2021年1月27日 16時28分
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総合評価:
4.0
アフリカ、マトボ共和国のズワー二大統領の暗殺計画を巡って、彼をも含めた色々な人間の思惑が入り乱れ、ゆっくりと物語が進行して行くので、暫くは少し複雑な感じがしました。ズワーニとは、最初は腐敗しきった政府から国民を解放し英雄となったものの、今は独裁者となり果てている所は嫌な感じがしました。過去にズワーニに両親と妹を殺された主人公のシルヴィアが、何かを隠している雰囲気に謎が多い感じがして、暗殺計画を聞いてしまった彼女を守る為に来たケラー捜査官と共に、彼女の動向から目が離せませんでした。シルヴィア役のニコール・キッドマンは、綺麗で神秘的であり意志の強さも現れていて、ケラーの落ち着きがありつつも、奥さんの死という辛さも秘めた中年の捜査官という対照的な関係が、それぞれの魅力を引き立てていたと思いました。シルヴィアが最後にズワーニに対して「さまざまなものをあなたは与えた。そして、それ以上に私たちから奪った」と語る所が最大の見せ場で、つい体に力が入って観てしまいました。彼女のくやしさ、寂しさがヒシヒシと伝わってきました。