ふたりが「最強」になるまでの物語
このレビューにはネタバレが含まれています
2020年12月21日 21時17分
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総合評価:
5.0
事故で首から下が麻痺している富豪と、貧しく教養も持たなかったふたりが「最強」の友人となるお話です。
富豪であるフィリップは大変気難しい性格。
そのため、身の回りの世話をする人はすぐにやめてしまうのです。
そこで面接会が開かれ、訪れたひとりがドリス。
彼はスラム街に住んでおり、仕事もやる気はなかったんですよね。
「仕事探しをしたという経歴があれば補償がもらえる」だけのために面接にきたのです。
他の人物は「障害者のために」などという中でのその態度。
恐らく、フィリップにとっては「障害を持つ『かわいそうな』人」という扱いは我慢がならなかったのだろうと思います。
断られるつもりで面接にきたのに採用されたドリス。
そんな彼の介護は当然めちゃくちゃです。
熱さを感じないのに驚いて、熱湯を足にかけたりするくらい。
そんな彼がフィリップを外出に連れていく際、車いすを搭載できる車にフィリップを乗せるとき「馬を荷台に乗せるみたいだ」と拒否します。
この辺りがとてもいいです。
結局となりに並んでいたスポーツカーに乗りかっ飛ばしていきます。
その時のフィリップの表情が実にいいです。
フィリップはこの時、ドリスに対して「友情」を感じたのだろうと思います。
この物語は実話で、映画では1年ほどの付き合いとして描かれていますが、実際には10年の付き合いだそうです。
最後に少しだけ出る実際の「最強のふたり」の姿が印象的でした。
また、物語冒頭の「暴走シーン」は後に大きな意味があることが分かるので覚えておくといいかと思います。
人間ってやっぱりいいな、と感じさせてくれる作品です。