ダークマン
画期的な人工皮膚の研究をしていたペイトン。恋人の弁護士ジュリーが研究所に持ち込んだ書類がきっかけとなり麻薬組織に襲われ研究所諸共爆破され全身を焼かれたまま、爆破の衝撃で吹き飛ばされ行方不明となってしまう。死んだと思われていたペイトンだが身元不明の重傷者として病院に収監されていた。意識を取り戻したペイトンは復讐心に駆られ病院を脱走しかつて研究していた人工皮膚を利用し、誰にでもそっくりに化けることができる事が可能となる。人工皮膚を使い醜い焼けどの化け物に自分をした麻薬組織への復讐を始めるのだった。
この映画「ダークマン」ほど、サム・ライミ監督のコミック・オタクぶりを発揮したものはないと思います。 全編がまさに良質で、破天荒な面白さに満ちあふれた"コミック・ブック"なんですね。 「超人ハルク」や「スワンプ・シング」そのままに、その設定を非常にうまく組み合わせて、更に魅力的な"ダーク・ヒーロー"の存在を描き出していると思います。 ガーゴイル像よろしく、ビルの屋上で地上を見下ろしながら悩む姿は、コミックのヒーローだけが許される特権だ。 そして、それだけでは終わらずに、一種のフランケンシュタインものとしてストーリーを練ったところに、サム・ライミ監督の手腕が光っている。 科学者でありながら、自らの境遇をどうにもできない苦悩。 感情が昂ぶると、アドレナリンを大量に分泌して、化け物と化してしまうことへの恐怖と苦悩。 そうした要素をあぶりだすことで、サム・ライミ監督は、実に魅力的なホラーのキャラクターを生み出すことに成功していると思います。 いかにも良心的な科学者ペイトンに、リーアム・ニーソンを起用したことも大成功で、観ている側はダークマンになる以前の彼の笑顔を知っているだけに、悲痛な思いを彼と共有できることになるのだ。 サム・ライミ監督の演出は、ここに来て早くも円熟の境地を見せており、画面をオーバーラップさせる、彼のお得意の手法はもとより、十八番のシェイキーカム撮影や、対象を歪ませる画面効果などを実にさりげなく使っており、とにかく全編が"コミック的映画手法"で貫かれているんですね。 更に今回は、バジェットでの制約が緩かったとみえて、後半にはヘリコプターを使ったアクションなどを盛り込み、かなり派手になっていて、そして、実にダイナミックなのだ。 ペイトンのラボにある人工皮膚再生装置のように、随所で見せるSFXもなかなか小技が効いていて、その使い方が実にうますぎる。 彼が撮った「死霊のはらわた」シリーズもそうだが、サム・ライミ監督は、SFXはただのツールにすぎないと考えているようで、決してそれに頼ったフレームを作らないのだ。 そして、ラストシーンで、振り返ったペイトンに被る「ダークマンと呼んでくれ」というセリフは、このヒーローの"深い哀しみと運命"を漂わせていて、見事なほどハマっていると思います。
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