開放的な閉塞感
2021年2月23日 15時30分
役立ち度:0人
総合評価:
4.0
グレート・バリア・リーフで起きた実話を基にした映画。
話は単調ではあるが、例えば最初パニックになるのは女性、しかしその後立場が逆になる、など
それなりに考えられて作られており、単にサメの恐怖を描いただけの映画ではない。
自分はこの映画が妙に怖かった。海の上で漂っている状態では海の中は見えず、
どんな得体のしれない生物が自分のすぐ近くまで接近しているか分からないという恐怖が
とてもリアルに感じられた。
また地に足が着いていなく、浮いている状態というのはほとんど身動きがとれない状態と変わりなく、
何かに襲われても対処のしようがないのでとても不安な気にさせられる。
画面上に映し出される、見渡す限りの大海原はとても開放的ではあるけれど、
同時に恐ろしい閉塞感を覚えるという不思議な映画体験をさせてもらった。
それにしてもサメたちには驚いた。
全て本物なのだ。
CGで描かれたバカでかいサメよりも、小ぶりでも本物の方がはるかに怖い。
と同時に、こんな風に撮影できるのかと驚かされもする。
リアリティ系インディペンデンス映画の中では出色の出来映えだと思った。