「凄い！」メッセージ Hoさんの映画レビュー

メッセージ Arrival

凄い！

このレビューにはネタバレが含まれています

2021年2月8日 14時59分役立ち度：1人

総合評価： 4.0

私達には、時は順に流れるという概念があるので、何日前、何年前、何日後、何年後と表記されない限り、映画の最初に見たものが始まりで最後に見るものが終わりになる。
この映画始まりから私達はもう騙されていた。そして、ヘリコプターの中で物理学者のイアンがルイーズの書いた著書を読んだ時点で言語が最初の武器になるとも聞かされていた。

彼女が何回も見ていたフラッシュバックは未来のことであり、映画の中では時が循環していたわけだった。未来から教えてもらい未来から今を変えていく。
まんまと騙された。良い気分！
彼女の娘の名前 Hannahも上から読んでも下から読んでも同じH.A.N.N.A.Hというところまで憎い。

この得体の知れない未知のものと出会うまでの恐怖感がひしひしと伝わり、見ている側もドキドキワクワクした。本当に。そしてドゥニさんとは何回もタッグを組んでいる、今は亡きヨハンヨハンソンの音楽も凄く良かった。
ルイーズは辛い未来を見たにも関わらず、同じように未来を迎え入れに行くあたりが悲しくもあり美しくもあり儚いなぁ。
ノンゼロサムゲームという言葉、恥ずかしながら初めて聞いた。非ゼロ和というみたい。
誰かが勝つ事で誰かが負けるのではなく、誰かが勝ったとしても誰にも不利益が生じないというものらしい。買い物もそうだよね。生産者は買ってもらえて、消費者は欲しいものが手に入るわけだから。
この映画も血が流れる戦争を起こすのでは無く、ヘプタポッドの言語をもらい学ぶ事によって時の概念も変わり多くの事が学べるしヘプタポッドも３０００年後かに人類によって助けられるという相互関係が成り立つわけ。難しいし、結局何を伝いたいのかも分からないけど、すごく面白かった。