ホラー……かと思いきや?
このレビューにはネタバレが含まれています
2021年1月13日 14時37分
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総合評価:
4.0
ホラーかな、と思わせて実はコメディ。
悪魔信仰のような儀式のもとで誕生した少年・ルーカス。
彼は実際のところ「悪魔の子」であって、それなりの能力を持っています。
その母・サマンサと結婚することになった主人公・ゲイリーとのちょっと怖くて笑えるお話です。
最初の方はホラーテイストが強いのですが、ゲイリーがルーカスを殺そうとしたあとからの展開がいいです。
ルーカスに対して父性を感じたゲイリー。
いい話かなー……と思ってからのドタバタが何とも言えない可笑しさです。
映画全体を通して割と「えらいこと」が起きているのですが、あっさりとスルーしているところも笑えます。
例えば冒頭のゲイリーがルーカスの手によって裏庭に埋められるシーン。
ここも作中で再登場します。サマンサによって助けられたゲイリーの第一声が「君とは離婚だ!」。
……いや、そういうレベルの問題じゃない。
そして仲良くなったのちのルーカスも「あの時は庭に埋めてごめんね」。
いやいや、ごめんねってレベルじゃない。
個人的に好きな登場人物はゲイリーの養父カウンセリング仲間のアル。
「彼」は見た目も生物学的にも女性です。
しかし、作中では一貫として「父親」として表現されています。
恐らくトランスジェンダーなのかと思いますが、誰もそこを指摘しませんし、ことさら本来は女性であることが強調されません。
その辺りがとてもいいと感じました。
そしてアルのたくましさが素晴らしいです。
様々なホラーをパロディしており、その点も面白い作品です。