温かい眼差しの映画
このレビューにはネタバレが含まれています
2021年2月5日 10時46分
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総合評価:
4.0
「ウィンターズ・ボーン」を監督したデブラ・グラニック監督の映画で、主人公のウィル(ベン・フォスター)は退役軍人で戦争のトラウマにより娘のトム(トーマサイン・マッケンジー)と共に森の中で人を避けて暮らしていますが、行政により農家で暮らすようにされます。娘のトムの方はそこで新たな出会いもあり、適応していきますが、ウィルの方は人との暮らしになじめません。上手く生きられない父親をそのまま受け入れて接する娘の描き方が温かったです。本作でのトーマサイン・マッケンジーさんの演技は批評家から高く評価されたとのことです。グラニック監督は困難な状況にある人たちを温かい眼差しで描く監督です。米国では大勢の戦争帰還兵がPTSDなどにより、社会生活が困難で、経済的に困窮し、ホームレスになっている人も多いということが映画の背景としてあります。社会の開放性が高く、寄付やチャリティも盛んな米国でもあまり対応できていない問題とのことです。