共感すること間違いなし
このレビューにはネタバレが含まれています
2021年8月13日 16時31分
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総合評価:
5.0
何度も読んだ若草物語。
まさにその世界があますところなく再現されています。
「終わってほしくない」「もっと先の物語もみたい」と何度も思いました。
まず、なんといってもジョーを演じるシアーシャ・ローナンが本当に魅力的な演技をしています。
原稿を燃やされたジョーが、怒ってエイミーにとびかかっていくところや、お金のために長い髪を切った夜、思わず泣いてしまうところ・・・。
まるで本物のジョーが目の前に現れたかのようでした。
そして、ローリー役のティモシー・シャラメ。
ルックスも素敵ですが、ジョーとふざけあうところなど本当に息がぴったり。お似合いですが、兄弟のような2人の恋の行方に切なくなりました。個人的にはローリーはジョーと結ばれて欲しかった。
マーチ夫人とメグの配役については、物語のイメージと違っていたので残念でした。どちらももっと静かで地味な感じの女性を想像していたので。
物語は、現在と過去が交錯する形で進みます。過去の部分が若草物語で描かれているシーンとなっているわけです。
ただ、カットのたびに現在と過去が目まぐるしく変わります。
ストーリーを知っていても戸惑ってしまうくらいの速さなので、わかりにくいのが少し惜しい点。
女性の監督というだけあって、「女性の生き方」にフォーカスしていたことが印象的でした。家族や友達と過ごす楽しい少女時代を終わらせたくないジョーですが、自分の大切な人たちはそれぞれの道を歩みだし離れていく・・・。自分だけが取り残されたような淋しさの中で必死にもがくジョー。
少女から大人になっていく過程の中で、誰もが感じたことのあるような焦りや切なさ、憤りがよく描かれています。
結婚しないという選択があの時代、どれほど困難なことだったのか。
何回もの視聴にたえる傑作だと思います。
ぜひ女性には観てほしい映画です。