江戸時代に会計係として生きた武家の物語
このレビューにはネタバレが含まれています
2021年8月18日 14時22分
役立ち度:0人
総合評価:
4.0
御算用者として藩に仕えてきた猪山家。
堺雅人演じる直之の徹底した倹約ぶりに、こういう武家も存在したんだなと思った。
武士がそういう生活をするイメージが無くあらすじに興味を持ち鑑賞した。
祖父の自慢話がいかに節約して藩の婚礼を行ったかという話だったり、息子の成之が銭を落とした時は雨の中であっても入払帳が合うまで探しに行かせたり、親族が集まる祝いの席で絵に描いた鯛を出したり・・・。
特に睨み鯛のエピソードは武家としての体面よりも倹約することに重きを置いていて武士っぽく無いなと思ってしまったが、話が進むにつれて全てのエピソードが御算用者として代々仕えてきた武家の生き方として一貫している事が伝わってきた。
映画序盤で成之が父を回想したシーンを思い出し、猪山直之という武士を表現するとても説得力のある台詞だったと改めて感動した。
江戸時代の会計係としての生き様を楽しむことができるし、三代にわたる家族の物語として楽しむこともできる映画だと思う。