正しく「わかる」はずのない未知の映像
2020年9月12日 22時27分
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総合評価:
5.0
映画に魅了されるきっかけとなった一本です。
だってカブトムシとタイプライターが一体化しているんですよ?しかもその肛門にヘロインをまぶせば良いとか……意味がわかりませんが、映像はシンプルでわかりやすすぎました。
こうやって難しい映画を出されると、あとはもう自分が理解したくてたまらないですね。とにかくフラミンゴだのヤクだの象徴的なイメージは出るのですが、はっきりとした答えは出ない。映像美を楽しむもの。合理的ではない、不可解を楽しむものだと個人的には思っています。
おそらくあらすじを知りたくて調べても、わかりやすい回答が出ないので有名な映画となっています。だって言いようがないんです。とにかくイメージの連鎖です。
妻はすでに薬で頭がおかしい。自分は小説家として売れようとしている。そんな中で彼は自分のタイプライターを黙らせるために殺虫剤を撒く。効果が抜群だったため、彼はそれをヤクとして売る。ところがやがてそれはいつの頃からか、わからなくなる……。
自分が何者?何のためにいるの?という根幹がゆらぎ、不安定になる映画です。美しいスーツとタイプライターの映像と表紙にだまされると、とても大変な目にあうでしょう。
現代映画の中で「最もドラッグ体験を再現」している作品かもしれません。